No.2262,761
おいしいパンを
買いにいきました。
いつも、ありがとう!
サービスしちゃう♡
と割引してくれました。
しかも、おまけのクッキー付き。
ふと、経理処理の視点で
考えた時に・・・
売上計上って
どんなふうにしてるんだろう・・・
そんな疑問が浮かんできました。
企業の成績を示す最も重要な指標の一つである「売上高」。
この売上高を「いつ」「いくらで」計上すべきかについて定めたものが、
収益認識に関する会計基準です。
2021年4月1日以降に開始する事業年度から、
日本でも原則としてこの新しい基準が適用されています
(多くの上場企業やその子会社などが対象です)。
複雑そうに聞こえるこの基準ですが、
その基本にある考え方は非常にシンプルです。
今回は、収益認識会計基準の最も基本的な原則である
「約束した財又はサービスの顧客への移転を当該財又はサービスと交換に企業が権利を得ると見込む対価の額で描写するように収益を認識する」
という一文に焦点を当て、「対価の額で描写する」とは
具体的に何を意味するのか、
そしてそれが皆様のビジネスにどう関わるのかを、
分かりやすく解説します。
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ITに詳しくない中小企業に寄り添う
竹内美紀です。
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収益認識の「基本原則」が示すこと
まず、改めてこの基本原則を見てみましょう。
「約束した財又はサービスの顧客への移転を当該財又はサービスと交換に企業が権利を得ると見込む対価の額で描写するように収益を認識する」
少し長いですが、分解してみると以下の要素から成り立っています。
- 約束した財またはサービス: 企業が顧客に提供すると約束したモノやサービスのことです。
- 顧客への移転: そのモノやサービスを顧客に渡す、または利用可能にすることです。
- 当該財またはサービスと交換に企業が権利を得ると見込む対価の額: 企業がそのモノやサービスを提供するのと引き換えに、顧客から受け取ることができると見込んでいるお金や、それと同等の価値のことです。会計基準ではこれを「取引価格」と呼びます。
- 対価の額で描写するように収益を認識する: 企業が「収益(売上)」を帳簿に記録する際に、上記の「取引価格」、つまり顧客から受け取る権利がある(と見込む)金額をもって記録する、ということです。
小学生にもわかる!おもちゃ屋さんでの例
この考え方を、少し簡単な例で考えてみましょう。
もし皆様のお子さんが、おもちゃ屋さんで
1000円のおもちゃを買ったとしたらどうでしょう。
- おもちゃ屋さんは、お客さん(お子さん)に「おもちゃ」をあげる約束をしました。(約束した財)
- お客さんは、おもちゃをもらう代わりに、おもちゃ屋さんに「1000円」を払う約束をしました。(対価の額)
このとき、おもちゃ屋さんが「このおもちゃを売って儲け(収益)が出たぞ」と記録する金額は、
お客さんが払う約束をした「1000円」
ですよね。
もし、お店のポイントを使って100円引きになり、
900円を払う約束になったなら、
お店が記録する収益も900円になります。
つまり、「対価の額で描写する」とは、難しい言葉を使っていますが、
小学生のお買い物と同じように、
「お店が売ったモノの値段のぶんだけを、ちゃんと売上として記録しようね」
という、ごく当たり前のことを言っているのです。
ビジネスにおける「対価の額で描写する」の重要性
皆様のビジネスでは、もちろんおもちゃを一つ売るような単純な取引ばかりではないでしょう。
- 商品と、その後のメンテナンスサービスをセットで提供している。
- 契約期間に応じて定額のサービスを提供している(サブスクリプション)。
- 販売数量に応じて値引き(リベート)がある。
- 目標達成度合いに応じてインセンティブを支払う契約になっている。
このような場合でも、基本的な考え方は同じです。
新しい収益認識会計基準では、
- 顧客への約束(履行義務)が何かを正確に把握し(例:商品の引き渡し、メンテナンスサービスの提供など)
- それと引き換えに受け取ると見込まれる対価の総額(取引価格)を算定し
- 複数の履行義務がある場合は、取引価格をそれぞれの履行義務に配分し
- そして、個々の履行義務を果たしたとき、または果たすにつれて、その履行義務に配分された金額をもって収益を認識します。
このプロセスにおいて、「対価の額で描写する」という原則は、
認識する収益の金額的な基礎となります。
単に契約書に書かれた金額をそのまま計上するのではなく、
将来の値引きや返金、成功報酬など、
金額が変動する可能性のある要素(変動対価)を合理的に見積
最終的に企業が受け取るであろうと見込まれる金額を収益の基礎とする必要があるのです。
経営者が「対価の額で描写する」原則を理解することのメリット
この原則を正しく理解し、適用することは、経営者の皆様にとって非常に重要です。
- 経営判断の精度向上: 収益が取引の実態、特に提供した価値とそれに対する対価に基づき認識されるため、より正確な経営成績を把握でき、データに基づいた適切な意思決定が可能になります。
- 財務報告の信頼性向上: 会計基準に準拠した適正な収益認識は、財務諸表の信頼性を高め、株主、金融機関、取引先などからの信用を得る上で不可欠です。
- コンプライアンス: 適用対象企業にとっては、会計基準に準拠することが法的な義務となります。
まとめ
収益認識会計基準の「対価の額で描写する」
という基本原則は、
企業が顧客に提供したモノやサービスと
引き換えに受け取る「取引価格」をもって
収益を認識するという考え方です。
これは、おもちゃ屋さんでの シンプルな売買から、
複雑な長期契約まで、
全ての収益認識の基礎となります。
自社の取引における収益認識が、
この原則に則って適切に行われているか、
今一度確認してみましょう。
特に変動対価を含む契約や、
複数の納品物・サービスを含む契約がある場合は、
慎重な検討が必要です。
ご不明な点や複雑な取引に関する判断については、専門家である税理士や会計士にご相談されることをお勧めします。
正確な収益認識は、健全な企業経営の基盤となります。
さて、パン屋さん。
サービスすることが
定量的なら
変動対価として割引額を
見込んでおいて
売上はそれに見合った額を
計上する必要がありますね。
そしてプレゼントは・・・
値引きなのか
原価でできる広告宣伝費か。
こうやって
考えると
難しい理論も身近になりますかね。
想いが伝わり、成果があがる
そんな仕組みを作るお手伝いをさせてください。
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