人が自立的に動き成果をあげる仕組みづくり 竹内美紀のブログ

ぶれない事実

No.2251,750

金の延べ棒を相続したそうです。
いくら税金を納めるのか。

その金の延べ棒をいつ、いくらで
購入したのかがわかりません。

いつ
いくら

大事なポイントです。

~*~*~*~*~*~*~*~*

ITに詳しくない中小企業に寄り添う
竹内美紀です。

2つの講座とノート1枚
欲しい結果を手に入れる方法を
お伝えしています

~*~*~*~*~*~*~*~*

購入した時の金額がわからないときは

というものがあります。

5%ルールとは


実際の取得価額が不明である、または証明できない場合に用いられる最も一般的な方法が、「概算取得費」の規定、通称「5%ルール」です 。これは、資産の売却価格の5%相当額を、取得価額(取得費)とみなして譲渡所得を計算する

100万円で売却した時は、5%・・・
5万円の費用がかかったとみなし
95万円が税金の対象となります。

これはかなり実態とかけはなれ
税負担が重くなってしまいます。

だから、
税理士としてはそのルールは
採用したくないそうです。

では、どうするのか。

税務署がどう判断するのか。

いろいろな情報を与えて
AIに推測してもらいました。
(長いので折りたたみます)

相続した金の延べ棒:購入履歴不明時の評価、取得価額、税務上の留意点

はじめに

金の延べ棒のような実物資産を相続されたものの、被相続人(亡くなられた方)がいつ、いくらで購入したかの詳細が不明であるという状況は、決して珍しいことではありません。このような場合、相続税の計算における評価方法や、将来その金の延べ棒を売却する際の譲渡所得税(キャピタルゲイン税)の計算において、「取得価額」をどのように決定するかが重要な問題となります。

本レポートは、日本国内において相続により金の延べ棒を取得し、その購入履歴が不明な方を対象に、関連する税法上の取り扱いや実務上の考え方について、専門的な観点から包括的な解説を提供することを目的とします。具体的には、一般的な金の市場価値評価、相続税申告時の評価方法、税法上の「取得価額」の概念、購入価額不明時の取得価額決定方法(特に「5%ルール」とその代替策)、そしてそれが将来の譲渡所得税計算に与える影響、信頼できる情報源、専門家への相談の重要性について詳述します。

第1節 金の延べ棒の市場価値評価

金の延べ棒の市場価値を理解することは、その後の税務上の評価を考える上での基礎となります。

1.1 価値の基本原則:重量、純度、金価格

金の延べ棒の基本的な市場価値は、主にその「重量」、金の「純度」、そして評価時点における「金の市場価格」という3つの要素によって決定されます 1。投資用の金の延べ棒は、通常、純度99.99%(K24や「フォーナイン」とも呼ばれる)であり、その価値は極めて純粋な金の価値に基づきます。

1.2 重量と価格計算

金の市場価格は、通常1グラムあたりの価格で公表されています 3。したがって、金の延べ棒の総市場価値は、その重量(グラム単位)に、評価時点での1グラムあたりの市場価格(買取価格または販売価格)を乗じることで算出されます 1。例えば、ある日の金の買取価格が1グラムあたり15,000円であれば、100グラムの金の延べ棒の価値は約1,500,000円と計算されます(手数料等は考慮せず)。

1.3 市場価格の情報源

信頼できる大手貴金属商(例:田中貴金属工業など)は、日々、金の買取価格と販売価格を公表しています 4。これらの公表価格が、実際の市場取引における基準となります 2。金の取引価格は世界的な市場動向に連動しており、国内のどの業者から購入・売却する場合でも、基本的にはその日の国際相場を反映した価格が適用されると考えられます 4

1.4 金の延べ棒の種類

金の延べ棒には様々な重量・形状のものがあります。個人投資家向けには、1g、5g、10g、20g、50g、100g、200g、300g、500gといった「グラムバー」や「スモールバー」、そして1kgの「キロバー」が一般的です 3。一方で、12.5kgの「ラージバー」は主に中央銀行や機関投資家間の取引で用いられます 6。注意点として、特に500g未満のスモールバーの売買時には、「バーチャージ」と呼ばれる手数料が別途必要になる場合があります。この手数料は販売業者によって異なるため、取引前に確認が必要です 3

1.5 市場価格の変動とその意味合い

金の価格は、世界経済の状況、金融政策、地政学的リスクなど様々な要因によって日々変動します 2。この価格変動は、金の延べ棒の価値が常に一定ではないことを意味します。この点は、売却タイミングの検討だけでなく、特に相続税評価のように「特定の日」の価値をピンポイントで評価する必要がある場合に極めて重要となります。相続発生日(死亡日)の価格と、その後の価格とでは大きく異なる可能性があるため、評価基準日を正確に認識することが不可欠です。

1.6 価格の統一性とわずかな差異

金の基本的な価値は国際相場に準拠するため、国内のどの業者でも大きくは変わらないとされています 4。しかし、前述のバーチャージ 3 や、各業者が設定するわずかなスプレッド(売値と買値の差)により、実際の取引額には若干の差異が生じることがあります。これは実務上の細かい点ですが、取引時には留意すべき要素です。

第2節 相続税申告における金の延べ棒の評価(相続税評価)

相続によって取得した金の延べ棒は、相続税の課税対象財産となります。その評価方法は法律で定められています。

2.1 基本原則:相続開始時の「時価」評価

日本の相続税法第22条では、相続または遺贈により取得した財産の価額は、「当該財産の取得の時における時価」によると規定されています 9。ここでいう「取得の時」とは、原則として相続開始日、すなわち被相続人が亡くなった日を指します 11

2.2 「時価」の定義

相続税法における「時価」とは、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額を意味します 10。親族間の取引や、特別な事情による安売り・高買いの価格は、ここでの時価とはみなされません。

2.3 金の延べ棒の具体的な評価方法

金の延べ棒の場合、この「時価」は、相続開始日(被相続人の死亡日)における、信頼できる貴金属商(例:田中貴金属工業など)が公表している「買取価格」(消費税込み)に、相続した金の延べ棒の総重量(グラム数)を乗じて計算するのが一般的です 5。

例えば、相続開始日の金の買取価格が1グラムあたり11,000円(税込)で、相続した金の延べ棒が500グラムだった場合、その相続税評価額は 11,000円/g×500g=5,500,000円 となります 13。

2.4 評価の根拠

この評価方法は、国税庁が定める財産評価の基本的な考え方(財産評価基本通達)に沿った実務上の取り扱いです 11。財産評価基本通達は、様々な財産の評価方法を統一的に定めるための指針です。

2.5 他の財産との比較と例外

相続財産の評価方法は、財産の種類ごとに異なります。例えば、土地は路線価方式や倍率方式 12、上場株式は相続開始日の終値など4つの価格のうち最も低いもの 14 で評価されるなど、それぞれ特定のルールがあります。金の延べ棒の評価方法は比較的シンプルですが、もし金製品が美術品や骨董品としての価値を持つ場合(例:アンティーク金貨など)は、単なる金の重量だけでなく、「骨董品としての時価」で評価する必要があり、専門家による鑑定が必要となる場合があります 15

2.6 相続税の申告期限

相続税の申告と納税は、原則として、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人の死亡日)の翌日から10か月以内に行う必要があります 16

2.7 評価日の固定性

相続税評価額の計算において最も重要な点の一つは、評価基準日が「相続開始日(死亡日)」に固定されることです 5。相続開始後に金の価格が上昇または下落したとしても、相続税の計算に用いられる評価額は変動しません。このため、相続開始日の価格を正確に把握することが極めて重要になります。価格が下落した場合でも税額は変わらず、逆に上昇した場合でも税額が増えることはありません。

2.8 買取価格(買取相場)を用いる理由

評価に際して、貴金属商が公表する価格のうち「買取価格」を用いる点も注目すべきです 5。これは、相続財産を評価する際に、その財産を換金した場合に得られるであろう現実的な価額(売却可能価額)を基準とする考え方に基づいています。一般的に買取価格は販売価格よりも若干低いため、この評価方法は納税者にとってわずかに有利に働く可能性があります。

第3節 譲渡所得税計算における「取得価額」

相続した金の延べ棒を将来売却した場合、売却によって得た利益(譲渡所得)に対して所得税(譲渡所得税)が課税される可能性があります。この譲渡所得の計算において、「取得価額(取得費)」が非常に重要な要素となります。

3.1 取得価額の役割

譲渡所得税は、資産を売却した際の「儲け」に対して課税されます。この儲け(譲渡所得)は、基本的に以下の計算式で算出されます 17。

譲渡所得 = 売却価格 – (取得価額 + 譲渡費用)

ここで「取得価額(取得費)」とは、その資産を取得するために要した元のコストを指します。「譲渡費用」とは、売却するために直接かかった費用(例:売却手数料など)です。取得価額が大きいほど、計算上の利益は小さくなり、結果として税負担も軽減されます 18。

3.2 相続資産の取得価額の原則

相続によって取得した資産を売却する場合の税法上の原則は、「被相続人の取得価額と取得時期を引き継ぐ」というものです 17。つまり、相続人が金の延べ棒を売却する際の取得価額は、相続人が相続した時の評価額(相続税評価額)ではなく、元の所有者である被相続人(例:親や祖父母)がその金の延べ棒を最初に購入した時の価格となるのです。

3.3 取得価額不明の問題点

ここで、ご質問の核心である「元の購入価額が不明」という問題が生じます。被相続人がいつ、いくらでその金の延べ棒を購入したかの記録(領収書、契約書など)が残っていない場合、上記の原則に従って正確な取得価額を把握することができません 18。取得価額が不明だと、譲渡所得の正確な計算が困難となり、税務申告において特別な対応が必要となります。

3.4 相続税評価額と取得価額の違いの明確化

相続税の計算で用いた「相続税評価額」と、将来の譲渡所得税計算で用いる「取得価額」は、目的も算出根拠も全く異なるものであることを明確に理解しておく必要があります。混同しやすいため、以下の表にまとめます。

表1:相続税評価額と譲渡所得計算上の取得価額の比較

税の種類評価・計算の基礎決定方法(原則)用途
相続税相続開始日(死亡日)の時価相続開始日の貴金属商の買取価格 × 重量相続税額の計算
譲渡所得税元の取得価額(取得費)被相続人が実際に支払った購入代金(判明時)売却時の譲渡所得(利益)の計算
(不明時は後述のルール適用)

この表が示すように、相続時に計算した評価額(時価)は、あくまで相続税を計算するためのものであり、将来売却する際の取得価額(コスト)として自動的に使えるわけではありません 19。この違いを認識しないと、譲渡所得税の計算を誤る可能性があります。

第4節 取得価額不明時の対応策

被相続人の購入価額が不明な場合、譲渡所得の計算において取得価額をどのように扱うかについて、税法はいくつかのルールを設けています。

4.1 デフォルトの選択肢:「5%ルール」(概算取得費)

4.1.1 ルールの内容

実際の取得価額が不明である、または証明できない場合に用いられる最も一般的な方法が、「概算取得費」の規定、通称「5%ルール」です 19。これは、資産の売却価格の5%相当額を、取得価額(取得費)とみなして譲渡所得を計算する、というルールです。

4.1.2 根拠

このルールは、国税庁のタックスアンサー(例:No.1464 22、No.3258 26)や所得税基本通達 27 などで示されています。元々は不動産に関する規定(租税特別措置法第31条の4)が根拠にあるとされますが、株式や金地金など他の資産についても実務上広く適用されています 27

4.1.3 計算例

例えば、相続した金の延べ棒を1,000万円で売却し、取得価額が不明な場合、概算取得費は 10,000,000円×5%=500,000円 となります 19。この場合、譲渡所得は(譲渡費用を無視すれば) 10,000,000円−500,000円=9,500,000円 と計算されます。

4.1.4 影響と留意点

この5%ルールは計算が簡単な反面、取得価額が非常に低く算出されるため、結果として譲渡所得が大きくなり、税負担が重くなるケースが多く見られます 18。特に、被相続人が相当な価格で購入していた可能性がある場合には、このルールを用いると実態とかけ離れた税額になる可能性があります。「辛いルール」19、「イマイチなもの」27 と表現されることもあります。

4.1.5 適用条件

なお、この5%ルールは、実際の取得価額が証明できる場合でも、その証明された額が売却価格の5%よりも低い場合に、納税者の選択により適用することも可能です 20

4.2 5%ルール以外の選択肢:取得価額の合理的な推定

4.2.1 推定の可能性

重要な点として、税法の条文や通達では、取得価額不明時に5%ルールを「適用することができる22 と規定されていることが多く、必ずしも「適用しなければならない」わけではないと解釈されています 24。したがって、もし実際の取得価額を合理的に推定し、その根拠を客観的に示すことができるのであれば、5%よりも高い価額を取得価額として申告することが認められる可能性があります 17

4.2.2 立証責任

ただし、5%ルール以外の価額を用いる場合、その価額が妥当であることの立証責任は全面的に納税者側にあります 25。税務署に対して、その推定方法や根拠資料の合理性を十分に説明できなければなりません。

4.2.3 推定の根拠となりうる情報(金の延べ棒の場合の難しさ)

不動産の場合、取得価額の推定方法として、当時の分譲パンフレット 31、市街地価格指数 25、建物の標準的な建築価額表 25、ローン契約書 31、近隣の売買事例 23 などが挙げられます。

しかし、金の延べ棒の場合、これらの方法は適用できません。考えられる手がかりとしては、以下のようなものが挙げられますが、いずれも確実性に欠ける場合が多いです。

  • 購入元への照会: もし購入した業者が判明していれば、過去の取引記録を問い合わせることが考えられますが、特に古い取引の場合、記録が残っていない可能性が高いです 33
  • 延べ棒自体の情報: 金の延べ棒には、製造業者名やシリアルナンバー(地金番号)が刻印されていることがあります 17。これらから製造時期を特定できれば、その時期の金相場を参考に、購入時期や価格を推定する手がかりになる可能性があります。ただし、製造時期と購入時期が近いという合理的な推測が必要です 17
  • 被相続人の記録: 被相続人が残した日記、メモ、家計簿、あるいは銀行口座の取引履歴(高額な出金記録など)に関連情報がないか、徹底的に調査することが考えられます 27
  • 納税者の記憶: 納税者自身の記憶(例:「約100万円だったはず」33)は、単独では証拠として弱いですが、他の間接的な証拠を補強する材料にはなり得ます。

4.2.4 裁決事例等

過去の国税不服審判所の裁決事例(主に不動産に関するもの)では、5%ルール以外の合理的な算定方法が認められたケースが存在します 24。これは、取得価額不明であっても、合理的な根拠があれば推定価額が認められうる、という原則を示唆しています。

4.2.5 リスク

推定取得価額を用いて申告する場合、税務調査などでその合理性が認められず、否認されるリスクが伴います。否認された場合、結局5%ルールで再計算され、追徴課税(延滞税・過少申告加算税など)が発生する可能性もあります。そのため、この方法を選択する場合は、事前に税務署や税理士に相談し、リスクを十分に検討することが強く推奨されます 25

4.3 計算例:取得価額の算定方法による影響

取得価額の算定方法が、最終的な税負担にどれほど大きな影響を与えるかを具体的に示すため、以下の比較例を挙げます。

表2:取得価額の算定方法による譲渡所得の比較例

項目詳細
前提条件
金の延べ棒 売却価格1,000万円
譲渡費用5万円
方法1:5%ルール適用
取得価額(概算取得費)1,000万円 × 5% = 50万円
譲渡所得1,000万円 – 50万円 – 5万円 = 945万円
方法2:推定取得価額(仮に合理的な根拠に基づき200万円と推定)
取得価額(推定)200万円
譲渡所得1,000万円 – 200万円 – 5万円 = 795万円
譲渡所得の差額945万円 – 795万円 = 150万円

この例では、取得価額の算定方法によって、課税対象となる譲渡所得に150万円もの差が生じています。実際の税額の差は、適用される税率(後述)によってさらに大きくなります。この差額の大きさが、取得価額不明時に安易に5%ルールを受け入れるのではなく、他の可能性を検討する動機となりえます。

4.4 5%ルールの位置づけ:利便性と潜在的な不利益

5%ルールは、取得価額の証明が困難な場合の救済措置として、税務当局も認める簡便な方法です 22。しかし、多くの専門家が指摘するように、実際の取得価額が5%を大幅に上回っていた場合には、納税者にとって著しく不利な結果をもたらす可能性があります 19。したがって、5%ルールは、他の選択肢がない場合の「最終手段」または「簡便法の選択肢」と捉えるべきであり、自動的に適用される唯一のルールではありません。条文の「することができる」という表現 24 は、この選択の余地を示唆しています。

4.5 推定における証拠の重要性

5%ルール以外の方法を選択する場合、「合理的な計算」19 とそれを裏付ける「証拠」25 が不可欠である点は、繰り返し強調されるべきです。「高く買ったはずだ」という主観的な確信だけでは不十分であり、客観的かつ検証可能な根拠を示す必要があります。不動産に関する裁決事例 25 や専門家による手法の提案 17 は、論理的で根拠のある推定プロセスが求められることを示しています。十分な根拠がなければ、税務署は推定価額を認めず、5%ルールによる計算を指示する可能性が高いです。

4.6 選択の不可逆性(注意点)

一部の情報源 25 によると、一度5%ルール(概算取得費)を用いて確定申告を行った後で、「やはり推定価額を使いたい」として更正の請求(申告内容の訂正依頼)を行うことは、原則として認められない(いわゆる「後出しジャンケン」は不可)とされています。このため、どの取得価額の算定方法を用いるかは、売却した年の確定申告書を提出する前に慎重に検討し、決定する必要があります。推定の可能性を探るのであれば、申告前に十分な調査と準備を行うことが求められます。

第5節 売却時の譲渡所得税の計算

相続した金の延べ棒を売却して利益が出た場合、譲渡所得税が課税されます。その計算にはいくつかの重要な要素があります。

5.1 譲渡所得の計算式

改めて基本的な計算式を示すと、以下のようになります 17。

譲渡所得 = 譲渡価額(売却価格) – (取得費(取得価額) + 譲渡費用)

5.2 課税区分:総合課税の譲渡所得

個人が投資目的で保有していた金地金を売却して得た利益は、「譲渡所得」として所得税の課税対象となります。不動産や株式の譲渡所得とは異なり、金地金の譲渡所得は、給与所得や事業所得など他の所得と合算して税額を計算する「総合課税」の対象となるのが一般的です。ただし、後述する特別控除や長期譲渡の特例があります。

5.3 保有期間の重要性:長期譲渡と短期譲渡

譲渡所得の計算において、その資産をどれくらいの期間保有していたかが非常に重要です。この保有期間は、相続の場合、被相続人の取得日から計算を引き継ぎます。

  • 短期譲渡所得: 保有期間が5年以下の場合。計算された譲渡所得の全額が、他の所得と合算されて課税対象となります。
  • 長期譲渡所得: 保有期間が5年を超える場合。計算された譲渡所得の**半額(1/2)**が、他の所得と合算されて課税対象となります 17

被相続人が長期間保有していた金の延べ棒であれば、通常は長期譲渡所得に該当し、税負担が大幅に軽減されます。この保有期間の引き継ぎは、相続資産売却時の大きなメリットとなりえます。

5.4 譲渡所得の特別控除

総合課税の譲渡所得には、年間最大50万円の特別控除枠があります 17。この控除は、譲渡所得の金額から(長期譲渡の場合は1/2にした後で)差し引くことができます。これにより、課税対象となる所得をさらに減らすことができます。

5.5 最重要ポイント:相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例

相続によって取得した資産の売却に関して、非常に有利な税制上の特例があります。それが「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」です 17

5.5.1 特例の内容

この特例は、相続または遺贈により財産を取得した人が、その相続に関して相続税を納付しており、かつ、その相続財産を一定期間内(相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで、つまり相続開始から約3年10ヶ月以内)に売却した場合に適用できます 34。適用されると、納付した相続税額のうち、売却した資産に対応する部分の金額を、その資産の譲渡所得計算上の「取得費」に加算することができます。

5.5.2 効果

取得費に相続税の一部が加算されるため、計算上の取得費総額が増加します。これにより、譲渡所得(利益)が圧縮され、結果として所得税・住民税の負担が軽減されます 18

5.5.3 加算額の計算

加算できる相続税額は、その相続人が納付した相続税総額のうち、売却した相続財産の価額(相続税評価額)が、その相続人の相続税課税価格全体に占める割合に応じて計算されます 34。計算はやや複雑ですが、税務署や税理士に確認することで正確な金額を算出できます。

5.5.4 適用要件

この特例を受けるためには、以下のすべての要件を満たす必要があります 34

  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること(相続税を納付したこと)。
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡(売却)していること。
  4. 確定申告書に、この特例の適用を受ける旨を記載し、所定の計算明細書や相続税額の証明書類などを添付して提出すること 20

5.5.5 5%ルールとの関係

重要な点として、取得価額が不明で「5%ルール(概算取得費)」を適用する場合であっても、上記の要件を満たせば、この取得費加算の特例は併用可能です 20。一部情報 35 では適用できない可能性が示唆されていますが、より詳細な情報源 20 では適用可能と明記されており、これが一般的な解釈です。これにより、5%ルールを選択した場合の税負担を、ある程度緩和することができます。

5.6 取得費加算の特例の適用要件チェックリスト

この有利な特例を見逃さないために、以下のチェックリストでご自身の状況を確認することをお勧めします。

表3:取得費加算の特例 適用要件チェック

要件確認事項該当(はい/いいえ)
1. 相続により取得した財産か?売却する金の延べ棒は、相続または遺贈によって取得したものですか?
2. 相続税を納付したか?あなた自身が、その金の延べ棒を含む相続財産について相続税を納付しましたか?(相続税がかからなかった場合は適用不可)
3. 売却時期は期間内か?金の延べ棒を売却した(または売却予定の)日は、相続開始日(死亡日)の翌日から数えて3年10ヶ月以内ですか?
4. 確定申告で手続きを行うか?所得税の確定申告時に、この特例を適用するための計算明細書等を添付して申告しますか?(またはその予定ですか?)

もし上記すべてに「はい」と答えられる可能性がある場合は、この特例の適用を積極的に検討すべきです。具体的な適用可否や計算方法については、税理士に相談することをお勧めします。

5.7 税制間の連携

この取得費加算の特例は、相続税という「資産の移転」に対する課税と、譲渡所得税という「資産の値上がり益」に対する課税という、二つの異なる税制度を繋ぐ役割を果たしています 17。相続税を納付したという事実が、その後の譲渡所得税の負担軽減に繋がる可能性があることを示しており、相続に関連する一連の税務イベントの連動性を理解する上で重要です。相続税の負担が、将来の所得税負担を軽減する要素になりうるという、税法の設計思想が現れています。

5.8 保有期間の継承がもたらす恩恵

相続によって被相続人の保有期間を引き継ぐというルールは、特に長期間保有されていた資産の場合、税負担を大きく左右します 17。5年超保有の長期譲渡所得に適用される「1/2課税」のルールは、課税対象となる所得を文字通り半減させるため、非常に有利な制度です。先代から長年にわたり受け継がれてきた金の延べ棒であれば、この恩恵を受けられる可能性が高く、短期的な売買で得た利益と比較して、税負担はかなり抑えられます。

第6節 主要な考慮事項と専門家への相談

これまで見てきたように、相続した金の延べ棒、特に購入価額が不明な場合の税務上の取り扱いは複雑です。最後に、重要な考慮事項と専門家への相談の必要性についてまとめます。

6.1 取得価額不明時の選択肢の再確認

取得価額が不明な場合の主な対応策は二つです。

一つは「5%ルール(概算取得費)」を用いる方法。計算は簡単ですが、税負担が重くなる可能性があります。

もう一つは、「合理的な推定」により取得価額を算定する方法。税負担を軽減できる可能性がありますが、十分な根拠資料の収集と、税務署への説明責任、そして否認されるリスクが伴います。

6.2 記録保存の重要性

今回のケースのように、将来の相続人が困らないためにも、ご自身が不動産や金地金などの重要な資産を購入した際には、購入契約書、領収書、支払いを証明する通帳の記録などを、必ず整理・保管しておくことが極めて重要です 19。将来の税務申告を円滑に進め、不必要な税負担を避けるための基本的な対策となります。

6.3 税理士への相談推奨

相続税評価、譲渡所得税計算、取得価額の決定(特に推定を行う場合)、取得費加算の特例の適用など、一連の手続きは専門的な知識を要します 14。誤った判断は、予期せぬ税負担増や、税務署からの指摘に繋がる可能性があります。

したがって、以下のような場合には特に、相続や資産税に詳しい税理士(できれば不動産や金などの資産譲渡に経験豊富な専門家)に相談することを強くお勧めします 21。

  • 相続した金の延べ棒を売却する前。
  • 取得価額不明で、5%ルール以外の推定価額での申告を検討している場合。
  • 取得費加算の特例の適用可否や計算方法について確認したい場合。
  • 譲渡所得税の確定申告書の作成・提出を依頼したい場合 20

6.4 信頼できる情報源

税に関する基本的な情報は、国税庁のウェブサイト(www.nta.go.jp)で得ることができます。タックスアンサー 22 や各種パンフレット 16、法令・通達 38 などが公開されています。ただし、これらは一般的な情報であり、個別の具体的な状況にそのまま適用できるとは限りません。最終的な判断や申告にあたっては、やはり専門家のアドバイスを求めるのが賢明です。

6.5 事前準備と計画の必要性

取得価額不明という問題は、過去の情報の欠落に起因します 19。そして、その解決策(5%ルール、推定、特例適用)は、複雑なルールと慎重な判断を伴います 25。特に、推定価額での申告や取得費加算の特例の適用を検討する場合、証拠収集や計算、適用可否の判断には時間がかかります。また、申告方法の選択が後で変更できない可能性 25 や、各種期限(相続税申告期限 16、取得費加算の特例の適用期限 34)があることを考えると、売却や申告の直前になって慌てて対応するのではなく、早い段階から調査や検討を開始し、必要であれば専門家に相談するなど、計画的に進めることが重要です。

6.6 税理士の役割:計算を超えたサポート

税理士への相談は、単に税額を計算してもらうだけではありません。特に取得価額の推定を検討する際には、その合理性や税務署に認められる可能性についての専門的な見解、リスク評価 25 が得られます。また、取得費加算の特例のような有利な制度を見逃さないためのアドバイスや、複雑な申告手続きの代行 20 も期待できます。取得価額不明という曖昧な状況においては、計算だけでなく、証拠収集の助言 19、戦略的な判断、リスク管理といった、より広範なサポートが税理士の重要な役割となります 21

結論

相続によって取得した金の延べ棒について、その購入履歴が不明な場合、税務上の取り扱いには注意が必要です。相続税の評価は、相続開始日(死亡日)の時価(通常は貴金属商の買取価格)に基づいて行われます。一方、将来その金を売却する際の譲渡所得税計算では、原則として被相続人の購入価額(取得価額)が必要となりますが、これが不明な場合は、売却価格の5%を取得価額とする「5%ルール」が適用されるのが一般的です。

しかし、この5%ルールは税負担が重くなる可能性があるため、合理的な根拠をもって元の取得価額を推定できるのであれば、その推定額を用いることも検討に値します。ただし、その立証責任は納税者側にあり、税務署に認められないリスクも伴います。

さらに重要な点として、相続税を納付した相続人が、相続開始から約3年10ヶ月以内にその金を売却する場合、「取得費加算の特例」により、納付した相続税の一部を取得費に上乗せでき、譲渡所得税の負担を軽減できる可能性があります。この特例は、5%ルールを適用する場合でも併用可能です。

これらのルールは複雑であり、個々の状況によって最適な対応は異なります。適切な税務申告を行い、不必要な税負担を避け、有利な特例を活用するためにも、相続した金の延べ棒の評価や売却を検討される際には、必ず事前に税理士などの専門家にご相談いただくことを強く推奨いたします。専門家は、個別の事情を詳細に検討し、最適なアドバイスとサポートを提供します。

引用文献

  1. 金の買取価格と重さ、重量の関係 – なんぼや, 4月 21, 2025にアクセス、 https://nanboya.com/gold-kaitori/post/purchase-weight-gold/
  2. 【2025年最新】金インゴット買取ガイド|手数料無料・高額査定, 4月 21, 2025にアクセス、 https://buy.watchnian.com/column/detail/562/
  3. 金の延べ棒(ゴールドバー)とは?現在の価値や購入~売却の方法まで解説~ – おたからや, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.otakaraya.jp/contents/gold-platinum/invest-in-gold-bars/
  4. 金のインゴット(金の延べ棒)とは?種類やサイズ・ブランドをご紹介 – バイセル, 4月 21, 2025にアクセス、 https://buysell-kaitori.com/column/gold-ingot/
  5. 金の相続に税金はかかる!課税対象の金資産・評価方法も解説 – 税理士法人チェスター, 4月 21, 2025にアクセス、 https://chester-tax.com/encyclopedia/8215.html
  6. 【金の延べ棒とは?】重さや価値・インゴットとの違いを徹底解説 – ブランドオフ, 4月 21, 2025にアクセス、 https://kaitori.brandoff.co.jp/column/metal-gold-bars
  7. 金のインゴットの種類とは?サイズ・重さ・ブランドや高く売るコツを徹底解説, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.otakaraya.jp/contents/gold-platinum/gold/gold-ingot/gold-ingot-kinds/
  8. 金価格の決まり方と1kgあたりの値段目安 – なんぼや, 4月 21, 2025にアクセス、 https://nanboya.com/gold-kaitori/post/price-1kg-gold/
  9. 相続税における財産評価額とは? 評価の基本と計算方法 – ベストファームグループ, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.bestfirmgroup.jp/zeirishi/souzokuzei/knowledge/souzokuzei-zaisanhyoukagaku/
  10. 「財産評価基本通達」とは 相続税申告の評価の基本 最高裁判決で話題の例外規定も解説, 4月 21, 2025にアクセス、 https://souzoku.asahi.com/article/14728319
  11. 「財産評価基本通達」とは?相続税申告における財産評価の基礎知識 – 税理士法人レガシィ, 4月 21, 2025にアクセス、 https://legacy.ne.jp/knowledge/now/souzoku-zei/528-zaisanhyoukakihontsuutatsu-souzokuzei-shinkoku/
  12. 相続税評価額の計算方法 – 税理士法人心, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.chiba.kokoro.tax/souzoku/info/hyoukagaku-keisanhouhou/
  13. 純金、金地金、金貨、金の延べ棒、純金積立の相続税評価を徹底解説 – 税理士法人トゥモローズ, 4月 21, 2025にアクセス、 https://tomorrowstax.com/knowledge/202407209465/
  14. 相続税評価額の算出 – 相続@町田センター, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.souzoku-machida.com/succession06.html
  15. 金は相続税の課税対象|評価方法・隠した場合のペナルティも解説, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.ht-tax.or.jp/sozoku-guide/gold-inheritancetax
  16. 相続税の申告のしかた – 国税庁, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/shikata-sozoku2023/pdf/E01.pdf
  17. 2022年7月5日 金地金の譲渡所得課税 – 税理士法人タカノ, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.it-kaikei.net/2022_07_2022%E5%B9%B47%E6%9C%885%E6%97%A5%E3%80%80%E9%87%91%E5%9C%B0%E9%87%91%E3%81%AE%E8%AD%B2%E6%B8%A1%E6%89%80%E5%BE%97%E8%AA%B2%E7%A8%8E/
  18. 相続における不動産売却時の税金対策!取得費が不明の場合や譲渡費用を解説, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.nangoku-fudousan-baikyaku.jp/blog/detail481598/
  19. 【取得費不明の相続土地売却】譲渡所得の確定申告で5%にしない方法 – 円満相続税理士法人, 4月 21, 2025にアクセス、 https://osd-souzoku.jp/syutokuhi-fumei/
  20. 相続財産の譲渡に係る『取得費加算の特例』 | アイブレ相続センター/税理士法人アイ・ブレインズ, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.fly-stone.jp/%E7%9B%B8%E7%B6%9A%E8%B2%A1%E7%94%A3%E3%81%AE%E8%AD%B2%E6%B8%A1%E3%81%AB%E4%BF%82%E3%82%8B%E3%80%8E%E5%8F%96%E5%BE%97%E8%B2%BB%E5%8A%A0%E7%AE%97%E3%81%AE%E7%89%B9%E4%BE%8B%E3%80%8F/
  21. 2023年には金が高値更新!売却したら税金はどうなる? |税務トピックス – 辻・本郷 税理士法人, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.ht-tax.or.jp/topics/kin-baikyaku/
  22. No.1464 譲渡した株式等の取得費 – 国税庁, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1464.htm
  23. 【2023年版】取得価格が不明な相続不動産の「税金」を安く抑える方法とは?, 4月 21, 2025にアクセス、 https://m.daikifudousan.com/blog/entry-411813/
  24. 取得費不明の相続不動産売却 – トラストファーム株式会社公式サイト, 4月 21, 2025にアクセス、 https://trust-farm.co.jp/real_estate/cost_unknown/
  25. 【確定申告】いくらで買ったのか、わからなくても粘りなさい!〜不動産譲渡の所得税〜|土地・底地の売却 – 三和都市開発株式会社, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.sanwa-baikyaku.com/blog/post-92/
  26. No.3258 取得費が分からないとき – 国税庁, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3258.htm
  27. 株の取得金額が不明なら? – 杉田卓也税理士事務所(横浜市南区), 4月 21, 2025にアクセス、 http://www.sugitax.jp/14962027337097
  28. 取得費が不明の土地 昭和時代の路線価を国会図書館で調査 – 円満相続税理士法人, 4月 21, 2025にアクセス、 https://osd-souzoku.jp/rosenka-chousa/
  29. 売価の5%だと損になる!価格不明の建物を売却する際の税金を抑える方法, 4月 21, 2025にアクセス、 https://nagoya-tax.net/blog/funds/tatemonobaikyaku/
  30. 株式の取得価額の確認方法!不明な場合の対処法も解説!, 4月 21, 2025にアクセス、 https://masouken.com/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E5%8F%96%E5%BE%97%E4%BE%A1%E9%A1%8D%E3%81%AE%E7%A2%BA%E8%AA%8D%E6%96%B9%E6%B3%95
  31. 取得費が不明な場合の対処法を不動産税理士が徹底解説!, 4月 21, 2025にアクセス、 https://maruishi-tax.jp/column/column316/
  32. 売買契約書や領収書を失くすと譲渡所得税が増える? – おいかわ不動産, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.oikawa-fudousan.com/oyakudati/keiyakusyo-and-ryoshusyo/
  33. 取得価額が不明な金地金を譲渡した場合の取得費の取扱いについて – 税務研究会, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.zeiken.co.jp/zeikonjirei/article/cat-3/2034040.php
  34. No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 – 国税庁, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm
  35. 相続で引き継いだ事業用財産の取り扱い – ランドマーク税理士法人, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.landmark-tax.com/greenlife/gl0601/
  36. 金を売却した時の税金について – 若林税理士事務所, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.wakabayashi-tax.jp/category/1579079.html
  37. 金・地金を売った時 | 相続の税務アドバイス – 三井住友トラスト不動産, 4月 21, 2025にアクセス、 https://smtrc.jp/useful/knowledge/souzoku-zeimu/2024_01.html

第11条の2《相続税の課税価格》関係 – 国税庁, 4月 21, 2025にアクセス、 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku2/02/01.htm

まとめると

  1. 相続税評価: 相続税の計算では、相続開始日(亡くなった日)の金の時価(通常は貴金属商の買取価格)で評価します 1
  2. 売却時の取得価額: 将来売却する際の譲渡所得税計算では、本来は元の購入価額(取得価額)が必要ですが、これが不明な場合が問題となります 5
  3. 取得価額不明時の対応:
  • 原則(5%ルール): 売却価格の5%を取得価額とみなす「5%ルール」が適用されます 6。計算は簡単ですが、税負担が重くなる可能性があります 10
  • 代替策(推定): 合理的な根拠を示せるなら、5%ルールより有利な推定額を取得価額として申告できる可能性もありますが、立証責任は納税者にあり、税務署に否認されるリスクも伴います 5
  1. 有利な特例: 相続税を納付し、相続開始から約3年10ヶ月以内に売却する場合、納付した相続税の一部を取得費に加算できる特例があります 5。これは5%ルールと併用可能です 15
  2. 専門家への相談: 取得価額の判断や特例の適用は複雑なため、売却前や申告前に税理士に相談することが強く推奨されます 7

具体的にもっと質問してみました。
金の延べ棒の製造年度はわかるので、その年に買った前提だとどうなのか。
しかも、税務署へ有利な条件で設定してみます。

金の延べ棒の製造年(発行年)を特定し、その年の最も低い市場価格を取得価額として算定

金の延べ棒の製造年(発行年)を特定し、その年の最も低い市場価格を取得価額として算定
するというお考えですね。これは、取得価額が不明な場合に「5%ルール」以外の方法で、より
実態に近い(あるいは有利な)取得価額を「合理的に推定」しようとする試みの一つと位置づけ
られます。
この方法の税務上の妥当性について、いくつかの観点から検討してみましょう。

「論破できるか」という点について:
税務署との関係において「論破する」という考え方ではなく、「合理的な根拠を示し、理解
を求める」という姿勢が重要です。ご提案の方法は、一定の根拠はあるものの、上記の通
りいくつかの仮定を含んでおり、その合理性について税務署と見解が異なる可能性は十
分にあります。必ずしも認められるとは限らない、というのが現状での見解となります。
結論として:
製造年の最低価格を取得価額とする方法は、5%ルールより有利になる可能性を秘めた推定
方法の一つですが、「製造年=購入年」「最低価格での購入」という仮定の合理性が問われる
可能性があり、税務署に必ず認められる保証はありません。否認されるリスクも考慮する必要
があります 2。
この方法で申告を検討される場合は、なぜこの方法が合理的と言えるのか、しっかりとした論
拠を準備し、関連する資料(製造年の証明、価格データなど)を揃えることが不可欠です。
最終的な判断や申告方法の選択にあたっては、個別の事情を詳細に検討する必要があるた
め、事前に税務署や税理士に相談し、リスクも含めてアドバイスを受けることを強くお勧めしま
す 5。

AIへ質問(竹内)

「最低価格」という選択は、納税者に最も有利な仮定であり、その選択自体に客観的な裏付けがない場合、恣意的と見なされるリスク(AI)

とありますが、これは納税者にとっては不利な仮定となると考えますがいかがでしょうか?なぜなら、価格は上昇した時に利益が多くなり課税される金額も増えるからです。(竹内)

ご指摘いただきありがとうございます。おっしゃる通り、譲渡所得税の計算においては、取得価
額が低いほど、売却価格との差額である譲渡所得(利益)が大きくなり、結果として課税される
税額も増えるため、納税者にとっては不利になります。この点は間違いありません。
先ほどの私の説明で「納税者に最も有利な仮定」と表現したのは、税額計算の結果ではなく、
「取得価額を推定する際の価格選択の根拠」という文脈でした。少し言葉足らずで誤解を招い
たかもしれません。申し訳ありません。
意図としては、製造年の価格帯の中から「最低価格」を選ぶという行為自体が、「なぜ最高価
格や平均価格ではなく、最低価格を選んだのか」という点で、客観的な根拠(例:その時期に
市場が暴落していた、特別なセールで購入した証拠があるなど)がなければ、税務署から「納
税者が自身の判断で、根拠なく特定の(この場合は最低の)価格を選んでいるのではないか」
と見なされ、「恣意的」と判断されるリスクがある、ということをお伝えしたかったのです。
税務署が取得価額の推定を認めるかどうかは、その推定方法が「合理的」かどうかにかかっ
ています。製造年の「最低価格」を採用することが、なぜ「合理的」な推定と言えるのか、その
理由を明確に説明できなければ、税務署はその推定方法自体を認めず、結果として原則であ
る5%ルールを適用する可能性がある、ということです。
したがって、ご指摘の通り、低い取得価額は税額計算上は不利ですが、その低い価格(この場
合は製造年の最低価格)を取得価額として採用する根拠が薄いと、その推定方法自体が税務
署に「恣意的」と判断され、認められないリスクがある、という二つの側面があるとお考えいた
だければと思います。
より有利な(つまり、より高い)取得価額を推定する場合でも、その根拠の合理性が同様に重
要となります。

同様の考え方について:
○ 金の延べ棒に刻印された製造番号などから製造年を特定し、その情報を基に取得価
額を推定するというアプローチは、実務上検討されることがあります 1。実際に、地金
番号から製造・出荷時期を特定し、その時期の価格(例:小売価格の最低値)を用い
て申告を試みるケースもあるようです 2。

税務署が「合理的」と判断する可能性とリスク:
○ 根拠の提示: 製造年という客観的な情報と、その年の市場価格データを用いる点は、
一定の根拠となりえます。申告時には、製造年を証明する資料(写真など)や、その
年の価格データ(信頼できる情報源からのもの)を提示する必要があるでしょう。
○ 仮定の妥当性: この方法には、「製造年に購入した」という仮定と、「その年の最低価
格で購入した」という二つの仮定が含まれます。
■ 製造年=購入年?: 必ずしも製造された年に購入されたとは限りません。製造か
ら購入までにタイムラグがあった可能性も考慮されるべき点です。
■ 最低価格での購入?: なぜ「最低価格」を選択するのか、その合理的な理由付け
が求められる可能性があります。税務署は、より客観的な価格(例えば、その年
の平均価格 1 など)を用いるべきだと判断するかもしれません。「最低価格」という
選択は、納税者に最も有利な仮定であり、その選択自体に客観的な裏付けがな
い場合、恣意的と見なされるリスクがあります。
○ 否認リスク: このような推定方法が税務署に必ず認められるという保証はありません
2。税務署が、提示された根拠や計算方法が「合理的」でないと判断した場合、否認さ
れ、結果的に5%ルールで再計算される可能性があります。その場合、延滞税や過少
申告加算税などのペナルティが課されるリスクも伴います 3。
○ 立証責任: 5%ルール以外の方法で取得価額を主張する場合、その金額の計算根拠
が合理的であることの立証責任は、全面的に納税者側にあります 4。

結論としては
税務署へ有利な条件だとしても、それが恣意的であると
みなされ、根拠が薄い、となると否認される可能性が
高いそうです。

根拠をどのくらい示せるか。
そこが勝負のようです。

そうそう。

勝負とか論破ということが
間違っていると指摘がありました。

客観的にいかに
証明できるか。

ぶれない事実が大事。

ということですね。

お困りの時は、税務署か
親しい税理士へご相談ください。

想いが伝わり、成果があがる
そんな仕組みを作るお手伝いをさせてください。

~*~*~*~*~*~*~*~*

<定期開催>

お金の悩みから解放されて本業に専念したい経営者のための
脱☆ドンブリ経営実践セミナー


2025年4月24日(木) 13:00~16:00 
2025年 5月29日(木) 13:00~16:00


ノート1枚で課題解決ができる
方眼ノート1Dayベーシック講座


◇ 2025年 4月25日(金)10:00~17:00
◇ 2025年 5月23日(金)10:00~17:00


個別相談は下記フォームからもどうぞ。

ご興味ある方はこちらから
期待、感想、質問など、どうぞ。
(必ずお返事します)


※誠意のない営業に対してはお返事しないこともあるかもしれません。

========================

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ご訪問数(since2022.5.4)


DX学校春日部校

カレンダー

2025年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

月別アーカイブ

PAGE TOP